BtoBのECサイトに必要な施策13選【導入前に確認してください】」

BtoB向けECサイトを構築する際、BtoC向けのEC機能をそのまま流用してしまうケースが少なくありません。しかし、企業間取引では取引先ごとの価格設定や社内承認フローなど、BtoBならではの要件が数多く存在します。

本記事では、50社以上のBtoB ECサイト構築・コンサルティング経験をもとに、導入前に必ず確認しておくべき施策を13項目にまとめました。

目次

この記事でわかること

  • BtoB ECサイトに必要な機能・施策13選の詳細
  • 各施策を導入する際の注意点とよくある失敗パターン
  • 導入後に「使われないECサイト」になってしまう原因と対策

① 顧客別価格・掛率設定

BtoB取引では、取引先ごとに異なる販売単価や掛率を設定するのが一般的です。全取引先に同一価格を表示するBtoCの仕組みのままでは、BtoB ECとして機能しません。取引先別の単価管理が標準機能として備わっているかどうかを、最初に確認すべき項目です。

スマレジEC B2B・Bカートともに、会員グループ別の掛率設定および取引先ID別の個別単価設定に対応しています。注文数量に応じたボリュームディスカウントの設定も可能です。

② 請求書払い・掛け払い対応

BtoBの購買担当者がクレジットカードで決済できないケースは多く、月末締め翌月払いなどの請求書払いが主流です。掛け払い・請求書払いが標準で使えない場合、取引先に発注を断られる原因になります。導入前に利用可能な決済手段を必ず確認してください。

取引先ごとに利用できる決済方法を出し分けることも可能です。取引実績の浅い相手には銀行振込のみ許可し、与信管理ができている得意先には掛け払いを解放するといった運用が実現できます。

③ 新規取引先の会員承認フロー

会員登録すれば誰でも発注できる初期設定のまま運用しているBtoB ECサイトは少なくありません。与信確認が取れていない取引先からの発注を受けてしまうリスクを防ぐために、管理者が承認するまで発注できない「会員承認フロー」を設定することを推奨します。

Bカートには会員承認機能が標準で用意されており、新規登録があった際に管理者へメール通知が届くため、承認漏れを防ぐことができます。

④ 発注承認ワークフロー

購買担当者がカートに商品を追加し、上長の承認を経て正式発注する、という社内フローを持つ企業は多くあります。このプロセスをECサイト上で再現できない場合、「ECでは発注できない」と敬遠される原因になります。一定金額以上の注文に承認を必須とするルール設定が可能かどうかを確認してください。

Bカートではオプション機能として発注承認ワークフローに対応しています。承認フローが必要な取引先を多く抱えている場合は、プラットフォーム選定の重要な判断基準になります。

⑤ 再注文バナー・お気に入りバナーの設置

BtoB取引では、同一商品を繰り返し発注するケースが大半を占めます。再発注のしやすさは、取引先がECサイトを継続利用するかどうかに直結する重要な要素です。

再発注機能はスマレジEC B2B・Bカートどちらにも備わっています。ただし、機能が存在するだけでは不十分です。マイページのトップや商品一覧の目立つ位置に「再注文バナー(注文履歴への導線)」および「お気に入りバナー」を設置することで、得意先の操作性を大幅に向上させることができます。

機能の実装と同時に、バナーの配置設計まで行うことが「使いやすいBtoB EC」の条件です。機能があっても導線がなければ活用されません。

⑥ 見積機能(見積書から発注への変換)

BtoB取引では、カートに追加してそのまま決済するケースは少なく、「見積書を上長に確認してもらい、承認後に発注する」というフローが一般的です。見積書の発行機能に加え、承認済みの見積書をそのまま発注に変換できる仕組みがあるかどうかも確認が必要です。見積書発行止まりの設計になっているサイトでは、転換率が低下する傾向があります。

⑦ 品番・型番・JANコードによる商品検索

BtoBの購買担当者は商品名ではなく、品番や型番・JANコードで商品を検索します。これらの検索に対応していないECサイトは「使いにくい」と評価され、離脱の原因になります。カタログや発注書を手元に置きながらコードを入力し、即座に商品が表示される検索体験が求められます。

BカートはJANコード検索に対応しています。取引先が手元のカタログや発注書を参照しながら商品を検索・発注する操作フローをスムーズに実現できます。

⑧ CSV一括発注

取引品目が多い大口取引先にとって、商品を1点ずつカートに追加する操作は大きな負担になります。手元の発注書データをCSV形式でアップロードし、一括で発注できる機能は、大口取引先のEC移行を促す上で有効な手段です。FAXや電話注文からの移行を提案する際の説得材料にもなります。

⑨ 在庫数・納期のリアルタイム表示

「在庫あり」の表示だけでは、BtoBの購買担当者は発注判断ができません。現在の在庫数と最短納期の目安を商品ページ上で確認できることが、スムーズな発注決定につながります。この情報が欠けていると、担当者が電話やメールで在庫確認を行う手間が発生し、EC利用の利便性が損なわれます。

⑩ 顧客別カタログ・商品表示制限(販路設定)

BtoB取引では、取引先によって販売できる商品ラインナップが異なるケースが多くあります。特定の取引先向けの商品を別の取引先に表示しない、業種ごとにカタログを出し分けるといった制御ができなければ、複数の取引先を1つのECサイトで管理することが困難になります。

スマレジEC B2B・Bカートともに、会員グループ単位で商品の表示・非表示をコントロールする販路設定機能を備えています。取引先の業種や契約内容に合わせたカタログ設計が可能です。

⑪ FAX・電話注文のデジタル化(AI-OCR活用)

ECサイトを導入した後も、FAXや電話での発注を継続する取引先は一定数存在します。この課題への対策として有効なのが、AI-OCR機能の活用です。取引先からFAXや写真で送られてきた手書きの注文書を自動で読み取り、受注データに変換することができます。

スマレジEC B2Bは「スマホdeOCR」、BカートはBカート専用の「AI-OCR」機能を提供しています。FAXでの発注を続けている取引先をECへ誘導する入口として活用できます。

⑫ 商品詳細ページへのサンプル注文ボタンの設置

BtoBの新規取引は、いきなり大量発注に至ることは少なく、「まずサンプルで品質を確認してから」という流れが一般的です。商品詳細ページのわかりやすい位置にサンプル注文ボタンを設置することで、新規取引先が取引を開始するハードルを下げることができます。

ボタンのラベルは「サンプル請求」より「サンプルを注文する」の方がクリック率の向上が見込めます。「請求」という表現が心理的な障壁になるケースがあるためです。

⑬ セミクローズドとクローズドの使い分け

BtoB ECサイトの公開範囲は、運用目的によって使い分ける必要があります。ログインしないと一切閲覧できない完全クローズドは、価格情報の漏洩リスクを防ぐ一方で、検索エンジン経由の新規顧客獲得の機会を失うことになります。

商品ページまで非会員でも閲覧できるセミクローズド設定にすることで、SEO経由で流入した潜在顧客が商品を確認し、会員登録へ進む導線を作ることができます。価格情報はログイン後にのみ表示する設計にすれば、競合他社への価格漏洩も防止できます。

  • 新規顧客の開拓を重視する場合 → セミクローズド(商品ページは非会員でも閲覧可、価格はログイン後に表示)
  • 既存取引先のみを管理する場合 → 完全クローズド(ログインしないと商品情報も閲覧不可)

スマレジEC B2B・Bカートともに「オープン/セミクローズド/クローズド」の3段階から公開範囲を選択できます。導入目的に合わせて適切な設定を選択することが重要です。


まとめ

本記事で紹介した13の施策は、いずれもBtoB ECサイトの運用において取引先の利便性と自社の業務効率に直結する項目です。すべてを同時に実装する必要はありませんが、①②⑥⑦はBtoB ECとしての最低限の要件として、優先的に対応することを推奨します。その後、⑤⑧⑩などを順次整備することで、取引先のEC利用率を段階的に高めることができます。

導入する機能の選定や優先順位の整理でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。貴社の取引先構成や運用体制に合わせた最適なプランをご提案いたします。

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